HRI COLUMN

2016/12/01スタッフコラム

日本人マネジャーとベトナム人社員間の期待値ギャップを埋める

みなさま、こんにちは、こんばんは、おはようございます!HRIベトナム(ダナンオフィス)の松岡です。
ベトナムのダナンに赴任してきてから、かれこれ1年半ほどが経ちました。このコラムでは、ベトナムで仕事を始めて自分が身をもって感じたことを綴ってみたいと思います。(駐在経験が長い方には「あるある」かとも思いますが(笑)。)

こちらに来てから、「自分が甘かった」と思ったことに「あるべき姿の共有の必要性」があります。
報連相のシーンを思い浮かべていただけると分かりやすいかと思います。日本人が期待する報連相と、ベトナム人が十分だと思う報連相にはギャップがあって、日本人が求める報連相は中々実践してもらえないものです。報連相に限らず、そんなことがベトナムの日系企業では良くあるのではないでしょうか。
私はこの現象を、日本人が描く「あるべき姿」がベトナム人に十分伝わっていないことが原因と捉えています。
私の経験でお話をしますと、報連相を行動レベルではよく実践している人でも、情報の内容に不十分な点があると感じてきました。具体的には、主観と客観が混ざった情報になっていたり、全体を網羅していない抜け漏れの多い情報になっていることが良くあるのです。例えばこんな感じです。

ある時、「〇〇の手続きのためにAという書類(取得が大変)が必要です」と言われたので必死にAの書類を用意したら、やっぱりAは無くてもいいからBを用意してと言われ…よくよく聞いてみると、“実際は全部でABCDEの5つの書類が必要になるが、Aはあってもなくてもいいもの”とのこと。「初めから全体像と優先度を網羅した説明をしてくれよ」と思ったものです。

またある時は、「〇〇さんが会社辞めるって言ってます!大変な状況です!」という報告があったので、本人に問い合わせたら「え?そんなこと言ってませんけど」・・・??
あらためて状況を聞き直して情報を繋いでみると「仕事で嫌なことがあった」という愚痴話をしていたのを聞いた人が「辞めたいと言っている」と早とちりして報告してきたのが真相のようでした。
(ここではシンプルに書いていますが、実際にはあちこちに波紋を呼んだ大事件でした。)

ベトナムか日本かは関係なく事実確認をしっかりすべきなのは当然ですので、そこは自分の反省をしつつ・・・日本で10年弱働いてきた私は、新人ではないビジネスパーソンたるもの、報告してくる側がある程度の内容精査を行ってから情報を持ってくるものだと(あるいは、不十分なら「十分ではない情報ですが」と前置きがあるものだと)思い込んでいるところがあったのです。我ながら、思い込みって怖いですね。

ベトナム人のメンバーからすれば、こういう報告スタイルでそれまで仕事をやってきて大きな問題はなかったのだから、“あいつ何で一人で怒ってるんだ?面倒な日本人が来たもんだ” という気分だったと思います(苦笑)。また、だれも悪気があってやっているわけでもないので、「あなたの報告の仕方が悪い」と報告者を注意しても、反感を買って溝が深まるばかりでした。

以上のように、報告一つとっても日本人とベトナム人の期待値が合致しない場合が少なくありません。これは「あるべき姿」が共有できていないことが根本原因だと、最近強く思うのです。
報告のやり方や指示方法にテコ入れすることになりますが、“点”でこれが悪い、あれを直せと指導するだけだと 結局 「何を期待されているのか分からない!(これは私がベトナム人から実際に言われた言葉です。)」という状況になりがちです。
そのため、前提として「あるべき姿」を“具体的に”共有することを十分意識することがポイントだと思います。それこそが早く変化を起こすコツです。

例えば、期待する項目内容や書き方について、フォーマットや見本を示しながら、こちらが求めていることを、できるだけ具体的に提示。そうすることで、何を「あるべき姿」としているのかが初めて伝わります。
それを続けていくと、ベトナム人側の改善が目に見えて起こります。

日越関わらず、マネジメントや社内育成上は当然のことかもしれないのですが、対ベトナム人の場合は、この「あるべき姿」を思っている以上に丁寧にすり合わせていくことが重要だというのが私が経験上学んだことです。
「あるべき姿」を理解してもらえれば、こちらの期待値に沿う行動をとってもらえるようになり易いですし、万一足りない部分があっても改善指導がやり易くなるという利点もあります。

「部下のパフォーマンスが期待値に達せずにイライラ…」という方、今一度「あるべき姿」がきちんと伝わっているかどうか、確認してみるのも良いかもしれません。

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